設計図書の仕様書でエンドタブがスチールタブになっている場合、それをフラックスタブに変えるには、AW技能検定試験に合格した者を必須とする設計者が多いのが実態です。スチールタブの実績が年々減ってきている中、AWに関係なくフラックスタブを使用できるように出来ないものでしょうか。
フラックスタブを利用するには、その工法に関する協会主催の研修を終了していること、さらには、鉄骨製作工場におけるフラックスタブ利用に関する施工要領、溶接品質管理要領、欠陥率などの自主管理データーの提示などを求めることが最低でも必要です。
官庁物件では、設計図書に書かれていないことを行なうためには、質疑書等を提示し、変更の主旨、品質管理要領、鉄骨製作工場における品質管理の実績と成績を提示し、判断を頂くこととなります。また、超音波検査要領書もフラックスタブ利用の場合の注意点(溶接線のスタートとエンド部分周辺の確認を重点品質管理)として、要領書の中に反映させることも必要でしょう。
フラックスタブ利用がAW技能検定合格者という条件がある場合、例えば学校施設等の官庁物件の耐震補強等に用いる枠付K型ブレースの製作などは地元鉄骨製作工場で請け負う場合が多く、その際、AW技能検定者の人数が少なく、なかなかフラックスタブへの変更提案ができにくい状況となるのが実情です。もう少し品質管理の要領と実績を踏まえた採用を考えていく必要があります。今後の対応を関係機関と具体的に調整してゆく必要がある問題であると考えます。