鉄骨110番

梁段差アングル材の溶接ピッチ

Question

梁の段差によくアングル材等を使用しますが、その溶接ピッチ等の基準はありますか。また、折板受け等に使われるC型鋼の溶接ピッチにも基準があるのでしょうか。

Answer

ここで解説しますモデルとしては図―1に示すような形状を想定させていただきます。
梁の段差部分にアングル材等を用います。取り付け部の溶接長さはショートビードにならないように40~45ミリ以上とする断続隅肉溶接としますが、溶接必要長さは、仮設時において作用する荷重に対し対応できる長さとしておかなければなりません。
仮設時においてとは施工中も含め以下のような荷重が対象になります。
①デッキプレートの自重
②まだ固まらないコンクリートの自重
③施工に際して当該床に載る作業員等の重量(一般的には100~150㎏/㎡程度を想定します。)
上記荷重に対し段差部分に配置したアングル材が曲げモーメントとせん断力を受けることとなりますので、まず、アングル材がその応力に耐える材厚のものを使用すること、そして溶接部分においては曲げモーメントとせん断力を同時に負担した場合の検討が必要となります。検討は半短期、あるいは短期許容応力度にて検討しても良いと考えます。
折板を受ける溝形鋼の溶接についても、設計上想定される荷重に対し必要な溶接長を確認すればよいと考えます。その他の決定要素としては、部材のそり、運搬時のたわみに対して溶接部分での損傷が出ないような配慮が必要です。