昨今では、鉄骨用溶接ロボットはファブにとって必需品に近い普及をみせています。各メーカーとも色々と研究を重ねて多くの形式のロボットが発売されています。ところが、ロボットオペレーターの技量確認としてAW検定が設けられています。ロボットの使用に関しては、メーカーの認証の範囲内ならば、さらに操作資格などは必要ないのではないのでしょうか?(JASS6にはJIS溶接技能者でよいと書いています)
ロボットを利用した溶接により構成される部材の最終的な品質は、オペレーターの技能レベルに沿ったものであると考えます。
鉄骨工事における要求品質、設計性能は溶接が完全ならすべて良しというわけには行きません。溶接周り外観、大組立て時の精度の確保のための逆歪み取り加工の妥当性の確認、入熱による反り、歪み発生予測とその結果における手段の是正など、製品として完成させるために必要な製作過程を踏まえて製品を造りだすこととなります。
ロボット溶接は、高温環境での長時間労働や苦しい溶接姿勢での疲労を防ぎ、より安定した性能を維持し生産効率の向上にも貢献しています。
しかし、溶接完了後の製品の品質の良否を判断できないオペレーターの操作によって作成された鉄骨製品は、設計で要求される性能、品質を満足することができないものとなる危険性を含んでいると考えられます。