鉄骨110番

ブレースのガセットPL形状

Question

ブレースのガセットPL形状を決める場合、基本的に孔から30度振り分けなければなりませんが、ブレースの交角によっては30度を確保出来ない場合があります。引きつけポイントを移動して30度確保したほうが良いのか、ポイントをそのままで板厚UPの方がよいのか、構造設計者としての考えをお聞かせ下さい。

Answer

ブレースの取り付いている主材(柱、梁など)に対して、ブレース芯が偏心して取り付く場合は、取り付く主材に偏芯による曲げモーメントが発生してしまいます。
やむおえない事情で30度の勾配を確保できなくても、ガセットプレートの板厚を必要板厚以上確保することで対応可能であると考えられます。高力ボルトによる、摩擦接合が成立するためには、配置されているボルト本数分のせん断耐力が確保されている必要があります。
引張材の接合部において、せん断を受ける高力ボルトが応力方向に3本以上並ばない場合は、端部高力ボルト孔中心から応力方向の接合部材端までの距離(応力方向の縁端距離)は、端部での母材破断を防ぐこと、およびすべり発生後の支圧変形を考慮して、高力ボルト公称径の2.5倍以上となるように規定しています。この条件を満足することは必要であると考えます。
ガセットプレートに対するボルトの配置がアンバランスであると、ガセットプレートに発生する応力に対し過大な応力集中などが生じることとなります。偏在、偏芯に伴う応力に対して破断を想定した検証をする必要が生じてきます。