JIS丸棒ブレースの接合箇所については、『JIS A 5540(2003)では、ターンバックルの取り付け方法が支圧接合であり、摩擦面の処理が不要である』とメーカーカタログに記載されていますが「JISメーカー品はすべて羽子板まで錆止塗装されており、使用するボルトはトルシア型高力ボルトなのだから摩擦接合とみなす」という構造設計者がいまだにいます。カタログ等で説明しても受け入れてもらえないのですが、どうすれば説得できるでしょうか。
基本的にはカタログにも示されているように、支圧接合であり、摩擦面の処理は不要です。多少気にかかる点は、羽子板の方の孔はボルト径+1ミリ、ガセットプレートの方の孔が+2ミリ(ボルト径が27ミリ未満)となっている点です。高力ボルトであれば、+2ミリの孔、ボルトであれば+0.5ミリのはずです。普通ボルト接合において重要な箇所には戻り止めなども必要となります。普通ボルトの締付けの確認を目視でできることが重要であり、戻り止め効果を考慮し、高力ボルト接合(高力ボルトのリラクゼーションを利用)とすることは必要なことであると考えます。現場での対応が基本通り進められている場合は、カタログ等に示される要領で宜しいと思います。普通ボルトを使用するとなると、バネ座金などで、緩み止めが必要になると考えられます。