屋根ブレースの取付けでは、水平ブレースを納める高さが大梁や小梁の上面であったり梁高さの芯であったり梁の下面であったりと色々なケースがあります。前記3点の梁の位置の差は、建物にどの程度影響を与えるものなのでしょうか。ファブの立場では現場建て方の場合、梁下納めが最も良いのですが。
屋根面ブレースの設置位置により、ブレース端部に取り付けられている部材に偏心モーメントが作用することになります。
ブレース取付け位置による偏心曲げモーメントに対し、直行方向に配された部材の端部接合部はねじれに伴う曲げモーメントに抵抗できるようにチェックする必要が生じます。鉄骨部材のねじり抵抗を考慮することもできますが、ねじり抵抗モーメントは小さく、変形も生じやすいことから、直行方向に抵抗部材を配置し、ねじり応力に対し拘束することがよい対応策であると考えます。
ねじり応力が生じた場合、その部材にとっては、座屈耐力の低下を招き、直行方向に抵抗部材を入れた場合、接合部には、せん断力と曲げモーメントが作用することとなります。それらの応力に対し部材、あるいは接合部の設計をしておかなければなりません。その作用外力の他の部材への影響度合いは偏心距離に比例することとなります。
ブレースの取り付く位置の変更に関しては構造設計者への確認をしてください。