鉄骨110番

2メートル超の仕口を短く

Question

8階建てのマンションで別図斜線部分の箇所の仕口が2~5階まで2メートルを超えるものになっていました。「短くできないものでしょうか」と質疑を上げたのですが受け入れてもらえず、そのまま製作・建て方を行いましたが、製作・塗装・運搬・建て方のどの工程においても融通がきかず、何回か危険な状態にもなりました。安全面や経済面においてとても不合理だったので、できれば長くても1200ミリ程度までに抑えてほしいところでした。別紙だけでは情報が少ないと思いますが、このケースでは短くすることは出来なかったのでしょうか。

Answer

最近のマンションはバルコニー出寸法の大きさが2メートルを超えるものが多くなってきております。
バルコニーが広いことは魅力あるマンションの条件の1つとなっています。マンションの販売、あるいは賃貸の条件として、必要な条件と考えられます。運搬、建方を考えますと、やはり片持ち梁の中間で継手を設けなければならないと考えます。この問題は設計時における条件設定として考えるべきものです。設計図書において、運搬、建方に不都合が生じることが予測されても継手を設けない理由の一つとして、できる限り鋼材料を少なくしたいといったことも考えられます。しかしながら、運搬、建方に大きな支障が生じる問題であれば、施工者は発注者、設計者、工事監理者に問題点を指摘あるいは質問として提出し、対応方法の検討をすべきと考えます。施工計画書における「建方計画」、「製作要領」、もちろん「材料の発注」にも影響を及ぼす重要な問題です。本来は設計の時点で考慮されているべき問題ですが、このような問題が工事発注時点でも解決されていない場合には、施工者は、発注者、設計者、工事監理者に問題点は正しく知らせるべきであり、施工品質の確保、安全の確保を前提とした判断をしていただくことが大切です。